結論
- 看護師に限らず、国家資格は更新制度が望ましい
- 一度免許を取得しただけで、一生生きているほどどの世界でも甘くはない
- 免許を持っている、イコール一人前ではない
国家資格の更新制度について
2021年の時点では、たぶん国家資格の多くは更新制度は採用されていません。
例えば、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)のときに話題になりました、潜在看護師は普通に働けるのか?ということです。
逆に、最新の根拠に基づかず、悪しき習慣ばかりを繰り返している場合も多くあります。
残念ながら、このような人材は悪しき習慣ということに気づかず、それが正しいことだと思って行動しています。
つまり、勉強は続けることが必要ということになります。
わたしも、むかしはこうだった、ということも増えてきました。
老害と言われる人たちの多くは、知識や行動のアップデートができてない人が多いです。
国家資格に限らないのですが、間違った知識や行動は多くの他者に影響を与えます。
学校の教師なども、比較的放置されているように思います。
潜在看護師は役に立つのか
Covid-19の際に話題になりました、潜在看護師は看護師免許は持っています。
当然、看護の基礎は持っています。
逆に潜在看護師を積極採用を推し進めるということは、裏を返せば昔の知識でもやっていける、ということと同義ということになります。
ところが、この原則は看護師以外の医師の場合でも同じです。
看護師は、医師に言われたことをやっておけば良い。
医師の場合も、適当な診療を行ったとしても、訴訟にでもならない限りは大きな問題とならなりません。
世の中には、とても現代の常識とはかけ離れた診療を行っている場合もあります。
これは、知りながら行っている場合と、そもそも知らない場合があります。
多くは、後者の様に思います。
それが正しい意見だと、思っている、つまり井の中の蛙状態ということです。
看護師には認定看護師という、看護師もいます。
認定看護師は、より深く臨床的な知識を深めるために学校に行き、取得される民間資格です。
けれども、認定看護師のように最先端の知識を習得した場合でも、間違った発言や行動をしている状況も目立ちます。
結局は、潜在看護師にせよ、認定看護師にせよ、自分次第ということになります。
とくに、働き始めての最初の1-2年での教育は極めて重要だと考えています。
この時期に、正しい知識を収集する術を教え、実践できるようになれば、その後の看護師生活も同様の実践は可能です。
けれども、これが正しい方法だからこのようにやってください、では魚を与えているにすぎません。
さかなをあたえても、それ以上はなんの成長もありません。
さかなの釣り方を教えてあげれば、魚を釣り続けることができるので、正しい実践を行うことができるはずです。
看護師資格の更新は必要か?
先に書いたように、正しい知識を教えてもらっても、頭の使い方次第です。
どんだけ勉強しても、患者さんに正しい知識をもって実践を行うことができなければ、資格の更新は意味をなしません。
ある程度の、最新の科学的妥当性を持った知識、つまり質の高いガイドラインなどの情報は知って置かなければならない情報です。
これらの、知識を問うような更新試験は必要なのではないかと思います。
なぜ、客観的な試験が必要なのかというと、看護師にせよ他の医療従事者にせよ、スペックを推し量ることができないからです。
例えば、TOEIC900点とかあれば、それなりに英語ができる人ということになります。
このように、医療の世界にも競争の原理をある程度導入する必要があるはずです。
病院としてのスペックが高ければ、医療の質は高くなるはずです。
医療の質は測定可能です。
医療の質が測定できるということは、これらスペックの高い人材がたくさんいる病院の場合は、医療の質が高いということを証明できるはずです。
世界では似たような有名な研究が行われており、高学歴の看護師が多いほど患者さんのアウトカムが改善することが示されています。
どうすればよいか?
まずは、新卒看護師の教育を行うべきです。
たとえば、英語での文献を読むことができない場合も多く、大学や専門学校で英語のテキストや論文を読む訓練を取り入れることが必要です。
とはいえ、最近Deep-Lなどの翻訳ソフトもありますので、要は正しい知識の収集方法ということになります。
ということは、臨床的な疑問をまず、持てるような教育が必要です。
賢さとは、与えられた問題を解くことではありません。
問題を自分で設定すること、そしてその問題を解くことが賢さということになります。
看護師に限らず、医療業界では言われたことをそのまま、なんの疑問も持たずに踏襲している場合が多いです。
繰り返しますが、基礎教育を見直すことが必要です。
じゃあ、スペックの高い看護師を大学で育成した場合、病院で働くことはできるのかということです。
質の高い教育を受けた場合、臨床の質の低さに驚くことになります。
世の中の看護部長は、教育に心血を注ぐべきです。
お金を使うことはとても重要なのですが、間違った使い方をしている場合が多いです。
どういう使い方かというと、自由に見れる動画を提供したりというものです。
こんなの提供しても、一部の興味ある人しか絶対に見ません。
臨床的に困っていることは、そんなことではありません。
何が困っているのか、自分たちで考えさせることが必要です。
わたしも、気管切開の患者さんに嚥下評価をお願いしますと伝えたとき、そんなリスクのあることはできませんと言われていました。
この事象をそのまま解釈すると、看護師は嚥下評価すらできないということになります。
当然、詳細な評価が必要になるのですが、看護の基本としての食べることにもっと興味を持ってほしいと思います。
こんな事やっていたら、いつまで立ってもお医者さんの仕事は減りません。
そういった観点からは、簡単な知識を問うための資格更新などは、やらない理由はあまりないような気がします。
まとめ
- 資格更新は、最低限の質の担保には有用かもしれない
- 潜在看護師でも、働ける現代の看護は見直されるべき
- 潜在看護師でも、資格更新試験に受かるほどの知識はアップデートすべき
- 看護師も客観的評価を受けるべきで、それは医療の質のカイゼンに寄与する