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医療関連メディアでの「医師限定」について

結論

  • なぜ、医師限定になるのか意味がわからない
  • 一方、看護師限定もわからないけど、議論はしやすいかもしれない
  • 医療者であれば、向かう方向は同じであるはずだが

「医師限定」について

 

医療は多くの国家資格者が集う、比較的稀な専門職集団かもしれません。

当然、特定の職種者同士で話し合うことは多くなります。

けれども、他の職種を議論に入れないというのは個人的に間違っているような気がしています。

例えば、世界の臨床系のトップジャーナルの代表であるNEJMの場合は、医師でも看護師でも同じように情報を提供してくれます。

一方、個人的に登録している、日経メディカル、m3.com、ケアネットなどは医師以外では見れない情報が多くあります。

他にも、営利目的のDr.s primeなど、宣伝は良くしていますが医師限定です。

さらに、ケアネットの場合は医師でなければ、株主優待の動画視聴ができないという事になっています(記載時点での情報)。

資本主義の市場原理からいって、株を購入した特典を特定の人にだけ供与するというのはありなのか、と思いますが「あり」ということになります。

これは、つまり営利のためなので、医師ではない人に参加資格が与えられないのは仕方の無いことです。

とはいえ、医療全体を俯瞰したときの在り方としては、あまり好ましく無いとも感じています。

みんなで同じ情報を共有するというのは、例えばNEJM、JAMA、The Lancetなどの雑誌が登録すれば誰でも読めるのと同じロジックだと思います。

当然、営利がなければ会社の存続も困難になりますので、ある一定のバイアスは生じているものという前提の上に成立しています。

論文やテキスト以外にも、これらの情報ツールから得られる情報の使い方を間違えなければ有用です。

ところが、自分が興味のある内容をクリックしても「医師限定です」という事がよくあります。

これは、当然医師以外は見れませんということになります。

裏を返せば、医師でもないのに見ないでくださいということでもあります。

けれども、そんな情報って何だろう?、というのが個人的本音です。

当然、知らなくてもよい情報なのですが、敢えて医師以外にも見せて、クリックすると医師限定なので、見れませんというあの無駄な時間の使い方が好ましくないかな、と思っています。

クリックする方もクリックする方なのですが、そんな情報が多いとあまり見る気がしない情報ツールに成り下がります。

結局は、営利目的ですので、稼ぎの少ない医師以外には情報を提供しませんよ、ということなのだと思っています。

繰り返しますが、それで良いと思っています。

要は、インターネット上には「お勉強」と言いながらも、実際は勉強にならない時間の浪費になるようなチャンネルは多数存在します。

自分のリテラシーの問題もありますし、適切に使うことで真価を発揮するということは、特別医療系のチャンネルに特化したものでもありません。

対策としては、基本的にあまり見ないようにしています。

メールが送られてきますので、タイトルだけななめ読みしてあとは、ゴミ箱に捨てています。

知らない論文情報があれば、開いて原文をたどるようにしています。

もちろん、開ければそのまま読み進めることも、それなりにあります。

 

セミナーでの「医師限定」

 

医療を取り巻く世界では、それなりにセミナーも行われています。

Covid-19が流行する前は、ほとんどは直接会場に足を運ぶタイプのものでした。

ところが、Covid-19が流行してからは、オンラインでの開催が圧倒的に増えました。

いままでは、物理的に数十人とかに制限せざるを得なかったものが、契約状況にもよりますが、数百でも数千でも視聴者を拡大することはそれほど難しいことではなくなりました。

当然このような、オンラインでのスタイルには一長一短がありますが、ほとんどはオンラインで事足りるような気がします。

そんなセミナーですが、こちらも当然「医師限定」があります。

一つは、医師が考えていることは難しいから参加してもついてこれませんよ、というメッセージがあるような気がします。

もう一つは、医師でないと議論ができないので、聴講だけの他職種がいることで議論がスムーズにいかない可能性があるのかもしれません。

勉強したくても勉強できないというジレンマがあるというのも事実かもしれません。

「医師限定」に他職種はどのように対応すべきか

 

セミナーの医師限定の場合は、主催者に頼んでみると案外スムーズに許可がもらえる可能性はあると思います。

医師限定で開催される予定のセミナーに、他職種から勉強したいという人が数人いても、そんなに気にならないでしょうし、むしろ歓迎されても良いような気もします。

インターネット上の情報チャンネルの場合は、医師限定に対応するのは困難です。

この場合は、先に書きましたように最初から見ないほうが良いと思っています。

そして、ここからが本質だと思っているのですが、他職種のセミナーに参加したかったり、情報を得たいのであれば、自分たちで開催してしまえばよいのです。

ちいさなグループでも全く構いません。

最初は、2人以上いれば開催するくらいの気概でも良いと思います。

医療には多くの専門職がいます。

けれども専門職にしかわからない葛藤など、様々なジレンマがあります。

つまりは、専門職は医師が教えるという時代から、各専門職が教える時代に来ていると言えるでしょう。

そして、多職種が混在する場合は、それぞれの強みを活かすことが重要になってきます。

そんなときには、他職種の意見として取り入れるべく、他の職種の勉強会に参加することはとても新鮮なのだと思います。

繰り返しますが、自分たちでまずはなんとかしてみるという態度こそが、各職種の自律に向けた第一歩だと思います。

よく看護師さんは、勉強会を企画した場合、医師を含む他職種に依頼しがちです。

でも、自分たちで完結できなければ、自律への道は遠いと言わざるを得えないでしょう。

 

まとめ

  • 医師限定はほっとく
  • 自分たちで何かできないかをまず考える
  • 論文を直接読んだほうが手っ取り早い

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