Contents
結論
- アドバンスドなナースという観点からは、NPという選択もあり
- ただし、現行の法制度下では、あくまでも看護師という枠には収まる
高度実践看護師
高度実践看護師には、いくつかの種類があります。 ざっくりと、大学院かそうでないかの2種類に分かれます。
大学院卒業が必要な看護師
- 専門看護師
- 診療看護師(NP)
- 修士・博士課程での研究メインのもの
- 他に、マネジメント関連など・・・
※診療看護師(NP)はあくまでも、団体が推奨する名称ですが、一般的にはこのように標記していますのでそのまま記載しています。
専門看護師と、診療看護師の違い
この2つの資格は、同じ大学院卒業が最低条件になります。
-
専門看護師は、看護のスペシャリスト
-
診療看護師も、看護のスペシャリスト
と、言われています。
実際には、専門看護師は看護メインでの介入を行っていることが多いように思います。
一方、診療看護師(NP)の場合は、医師との協同という場面のほうが圧倒的に多いような気がします。
とはいえ、このあたりは国家資格ではありませんので、法律の範囲内で各所属施設の裁量により働き方は大きく変わります。
大学院卒業が不要な高度実践看護師
- 認定看護師
- 助産師
- 特定行為看護師
認定看護師は、高度な看護技術を持つ方になります。
実際は、一般的看護業務を行いつつ、看護師の教育などの啓蒙活動等を行っていることが多いように感じています。
最近は、「特定行為」という過去は医行為の一部とされていた行為に関しての介入が効率的で効果的であることより、認定看護師もニアリーイコールのような形で特定看護師とそのスキルの一部を共有しています。
例えば、集中治療室で勤務していて、医師が来るまではカテコラミンや輸液の調整が行えなかったものが、迅速に行えるようになるといったシステムです。
一般の看護師にも、優れた人はたくさんいます。
一方、そんなに勉強していない人もいます。
そのため、看護師にもある程度の裁量を客観的に示す必要があるということを示すのが、看護師特定行為の履修になります。
例えば、集中治療室に1人そのような看護師がいれば、少なくとも人工呼吸器関連の離脱などは大いに進む可能性があります。
特定行為における諸問題
現在、21区分38行為が看護師の特定行為として認定されています。
例えば、これらのうち人工呼吸器の離脱という部分だけの資格を履修したとします(本来はそんなことはありません)。
けれども、人工呼吸器の離脱には人工呼吸器の設定以前にやるべきことのほうがたくさんあります。
そのため、可能なら色々できたほうが良い、というのはしっくり来るのではないでしょうか。
診療看護師(NP)の方々は、現行認められている行為は全て履修し、それ以上に医師の直接指示でより医学的な介入に近いことを行っています。
とはいえ、診療看護師(NP)が偉いと言うわけでは全くありません。
診療看護師も、看護師も、専門看護師も、認定看護師も全ては横並びで協同して初めて能力を発揮します。
これは、ドラッカーの言うところの「強みを活かすことで弱みを意味のないものにする」ということになります。
それぞれの認定資格には、強みがあります。
ただ、その中身は同業者でも分かりづらいです。
だからこそ、自分たちの行っていることを対外的に客観的に、成果として提示する必要があります。
成果の提示
成果の提示は、どのような職種においても必要な事項になります。
例えば、認定看護師になるには、たしか100万円くらいかかったと記憶していますが、それに見合うだけの成果の提示をしているのか?ということが必要になります。
1つは取っ掛かりとして、学会発表でも良いです。
ただ、その発表の全てが自分たちんの中で完結するものであってはよくありません。
今後生き残っていくためには、組織・社会への貢献が必要になります。
組織への貢献は、金銭面で評価されるべきです。
黒字化への影響や、赤字削減への影響など、とてもインパクトのあるものになります。
経営面での黒字が示せれば、他の施設も欲しいと言い出すのは明らかでしょう。
とはいえ、医師と違い1人いるだけでそのような大々的な成果が示せるわけではありません。
協同して、時には組織の枠を超えて協同することで、客観的左証を提示することが必要になります。
日本の医療制度
日本の医療制度は、政策により振り回されます。
良い病院は、この政策を先取りしますが、一般的病院は政策に誘導されることのほうが多いと思います。
つまり、医療の枠から飛び出して、政策誘導させるような成果の提示ができればよいのです。
そうなれば、認定看護師の採用で医療点数を追加するなどの、メリットが生まれるかもしれません。
政策に誘導されるのではなく、誘導する側に回れば、かなり強い組織であると言えます。
まとめ
- アドバンスドナースとしては、いくつかの選択肢がある
- どんな選択肢になったとしても、多職種で協同しなければ成果の提示は困難
- 成果の提示には、金銭的メリットのインパクトは強い
- 金銭的インパクトの提示は、結果的に患者さんに還元される