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結論
- 診療看護師(NP)は、ただの看護師に過ぎない
- ただし、正しく使えば効力を十分に発揮できる
- そして、診療看護師(NP)は、カメレオン的存在でもある
診療看護師(NP)とは
診療看護師(NP)とは、日本NP大学院協議会が規定する、資格認定試験に合格したものとされています。
専門医などと同じく、ある団体が勝手に決めているだけと言われればそうかも知れません。
診療看護師(NP)の名称
これは、多少違和感があるかもしれませんが、「診療看護師(NP)」が公式な名称の見解とされています。
この名称に至るまでは、紆余曲折あり、日本NP学会誌の中で検索するとその名称に関する経緯が書かれています。
通常は、めんどくさいのでNPと呼ばれる事が多いです。
そもそも、NPとは米国のNurse practitionerという制度を目指して作られた制度になります。
以降も、めんどくさいのでNPと書きます。
NPをなぜ作る必要があるのか
まず、コスパが良いということが挙げられます。
例えば、日本の場合だと医師の数分の1の値段で、似たような働き方が可能になります。
例えば、NPが医師の8割の能力だったとします。
給与は、医師の5分の1だとします。
医師1人雇うより、NP5人を雇って、医師は医師だけの仕事に注力した方がよほど効率が良いはずです。
例えば、病状説明などもNPが行い、最終的な医学的意思決定の部分だけ介入すれば、かなりの時間削減にもなります。
通常の臨床業務でも同様です。
既に使い終わった薬剤の処方依頼や、定期処方薬の処方など、医師でなければできないことですが、医師は確認作業だけで、実働部隊はNPやその他の薬剤師などの職種で賄ったほうが効率的で効果的なはずです。
日本のNPの場合
日本のNPの場合は、極論すれば違法行為です。
ただし、医師の指示のもとという前提であれば、合法です。
合法のなかで、医師が過去行ってきた仕事を行っています。
例えば、処方の代行入力や診断の補助、治療の補助などです。
実際には、自律・自立したNPもおり、もしかしたら医師よりも能力のあるNPもいるかも知れません。
ただし、看護師特定行為以外の行為に関しては、医師の指示のもとであり、医師の補助という前提になります。
とはいえ、それなりに働いていれば、診断や治療に関してもわかるようになってきます。
そのため、診察し、鑑別診断を挙げ、治療プランを提示し、医師の指示があれば、医師は考えてはいるものの、ほぼほぼ信頼してGoサインを出してくれます。
NPはカメレオン
現行の日本の法制度上は、NPは看護師です。
そのため、所属施設の意向により、様々な働き方が可能になります。
例えば、1年目は完全に教わる側です。
2年目は教わりつつ、ある程度主体的に行動できるようになります。
3年目は、NPを指導する様になります。
4年目は初期や時に後期研修医の指導もするようになります。
そして、看護師の指導もするようになります。
つまり、看護師の役割と研修医の役割と、時には指導医としての役割も可能になるかもしれません。
指導医と言うと、大げさかもしれませんが、特定の内容に関しては、指導医のレベルで教育することも可能だと思います。
もちろん、指導医には当然全くかなわないことは申し添えておきます。
そもそも、医師と競い合う事ではなく、医療の健全化のためにありますので、NPにとって重要なことはメタ認知の能力だと思っています。
研修医との比較
これは、そもそも職種が異なるので、比較することにあまり意味は無いと思います。
NPの方が優れていました、という結果になれば、今までの医療の在り方すら問われます。
そのような研究も必要かもしれませんが、NPがチームに加わることで、何かしら良質なアウトカムの提示に寄与できたという成果を示すほうが、お互いにとって良質な関係性構築が可能になるような気がしています。
NPの立ち位置について
NPに立ち位置はありません。
必要な時に、必要な状況を見出し、そのスキマを埋めるのがある意味仕事と言えます。
医師は、基本的に賢いので、医学的な専門的能力を十全に発揮していただき、NPはそのスキマを埋める事で、タイムリーで効果的・効率的な働き方が可能になります。
そのような、フレキシビリティこそが、NPの立ち位置なのかもしれません。
結論
- NPはその時々で、多様な働き方が可能になる
- NPの利点は、経験と多様性とコスパの良さ