Contents
結論
- 看護師でも、診断の多くはできる(はず)
- 診断というと、大それた言い方かもしれないので「アセスメント」くらいの表現がちょうどよい(かも)
- 「アセスメント」では、ココまでは医者の領域とかではなく、問診と身体所見で列挙可能な診断は極論する
診断とは
診断とは、極論すると神のみぞ知る領域です。
その、神のみぞ知る領域に、片足を突っ込んで病名を下すことになります。
病名が、間違っていると治療の多くは間違うことになります。
脳卒中の場合
例えば、脳梗塞だと思い、血液の塊を溶かすような治療を行ったとします。
それが、脳出血だった場合、脳出血は拡大して、最終的には患者さんの呼吸や心臓は止まってしまうことになります。
ときには、このような治療のために行った介入により、患者さんを不幸な転帰にさせることにも繋がります。
だからこそ、患者さんに最も近い看護師は診断を行えたほうが良いに決まっています。
例えば熱
入院患者さんは、熱をよく出します。
とりあえず、条件反射的に考えるのが、5つくらいの感染症とその他の非感染症です。
5つくらいの感染症
- 肺炎
- 尿路感染症
- 皮膚軟部組織感染症
- 肝胆道系感染症
- 血流感染症(デバイス関連)
- 腸炎
その他の非感染症
- 深部静脈血栓
- 結晶誘発性関節炎
- 薬剤
- 血腫
と言った具合です。
つまり、条件反射的に診察すべきは
- 下肢の左右差がないか(深部静脈血栓症)
- 腹痛がないか(肝胆道系感染)
- 関節炎所見がないか(結晶誘発性関節炎)
- 尿路感染症症状がないか(頻尿・残尿感・排尿時痛・背部の叩打痛や双手診など)
- ”比較的元気・徐脈・CRPが低い”の比較3原則はないか(薬剤熱)
- 尿道カテーテルや中心静脈カテーテルなどの、デバイスはないか
- 痰や呼吸数の増加はないか(肺炎)
- 全身を観察し皮膚の異常(特に褥瘡や蜂窩織炎)はないか
- 異臭のする下痢をしていないか
どうでしょうか?
診察を行うだけで、今回挙げた発熱の原因はほとんど「あたり」をつけることができます。
実は、診断を行う上で最も大切なものが「あたり」をつける作業になります。
検査前確率という概念
診断は、検査が行うものではなく、医師が行うものです。
ところが、検査に100%の信頼を寄せている方を時々見受けます。
検査は、検査を行う前の確立が高ければ高いほど、検査を行った際の検査後確立が高くなります。
検査後確率とは、つまりは「診断」ということになります。
これらからわかるように、検査とは本来どっちかよくわからない時に、否定や肯定の材料の1つとして利用するものになります。
診断をアセスメントに置き換える
診断という言葉だけが独り歩きしても困るので「アセスメント」という言葉に置き換えます。
看護師は、アセスメントが好きです。
その、アセスメントの延長線上に診断はあります。
例えば、外来に2周間前からの発熱で来ました。
という主訴の場合は、普通の感染症で無い可能性がありますので、渡航歴をはじめ、アクティビティなどとにかく、熱の出そうな感染症の可能性を考慮します。
例えば、渡航歴があるということでしたら、輸入感染症などの特殊な感染症の可能性も考慮する必要があります。
とはいえ、事前確率とは母数にも依存しますので、帰国後の発熱だからといって、実は普通のコモンな感染症(尿路感染や肺炎など)の可能性の方が高いといえます。
看護師の強みは、患者さんに近いところ
これは、大きな強みになります。
いつ熱が出て、その時に皮疹があって、少し掻いただけで皮膚が膨隆してなどの所見を事細かに診察できるからです。
たとえば、上に書いた例は、成人発症スティル病などに特徴的な所見になります。
これらの鑑別が想起されれば、発熱の際の関節炎所見や、皮疹の形態を写真撮影し、弛張熱パターンであることを熱型表に表示させる事ができるはずです。
アセスメントがなければ、次の一手が打てない
看護師にアセスメントが必要なのは、次の一手を打つためです。
熱が出た → アセトアミノフェンの1択ではなく、次善の策を持っていた方が良いと思います。
次善の策とは、アセスメントを追求することで効力を発揮します。
例えば、熱が1週間続いて、息切れも出てきて、心雑音も出てきて、手足に出血斑が出ている場合などは、感染性心内膜炎の可能性を考慮すべき、ということになります。
とにかく、診断名は多岐に渡ります。
病院内でよく起こるもの、たとえば発熱の対応などから、視野を少しづつ広げていく事で確実に自分のものになっていきます。
まとめ
- 看護師にとっての診断は、アセスメント
- アセスメントが無いと、次に進めない
- 適切な診断にたどり着くには、適切な教育が本来必要