Polypillという処方レジメン
米国では、このPolypill(ポリピル)という処方が比較的よく行われているようです。
これは、4つの薬剤が1つになったものですのです。
単純に服用すべき薬剤が少なくなれば、服薬アドヒアランスも良くなります。
日本にも、似たような薬剤はありますが、流石にこのPolypillは見たことがありません。
そのため、日本には流通していないのかもしれません。
ポリピルとは、シンバスタチン40mg、アテノロール100mg、チアジド25mg、ラミプリル10mgがこの研究では使用されています。
基本的には、この4剤が用いられるようです。
日本の場合は、もう少し高価な薬剤がそもそも選択されている様な気がします。
Polycap Study 3
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2028220?query=featured_home
今回の研究では、ポリピルの効果に加え、アスピリンを付加した場合の効果について検証されています。
方法
2x2で行われました。
ポリピルのレジメンは、先に書いた通りです。
これに、アスピリン75mgを足したレジメンで行われました。
つまり、
・ポリピル+アスピリン
・ポリピル+プラセボ
・プラセボ+プラセボ
・プラセボ+アスピリン
の4つの組み合わせです。
主要評価項目
心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中、蘇生された心停止、心不全もしくは血行再建でした。
結果
合計5713症例が登録されまいた。
追跡期間は、平均4.6年でした。
LDLコレステロールは19mg/dl低下しました。
収縮期血圧は、約5.8mmHg低下しました。
主要評価項目は、ポリピル群126症例(4.4%)、プラセボ群157症例(5.5%)でした。
Hazard比, 0.79; 95%CI, 0.63-1.0と有意差は認めませんでした。
アスピリン群との比較では、アスピリン群116症例(4.1%)、プラセボ群134症例(4.7%)でした。
Hazard比, 0.86; 95%CI, 0.67-1.10と、有意差は認めませんでした。
ポリピル+アスピリン群では、59症例(4.1%)、プラセボ群83症例(5.8%)でした。
Hazard比, 0.69; 95%CI, 0.5-0.97と有意差を認めました。
ポリピル群では、低血圧、めまいなどの有害事象害多く見られました。
私見
日本では、この容量や処方数を採用すると、有害事象がより増加しそうに思います。
4剤の時点でそもそも、Polypharmacyですので、やはり削減されるべきに思います。
対象が、血管リスクの高い人かつ貧困層である可能性もあるかもしれません。