看護

【新人看護師向け】敗血症性ショックは突然おきない

結論とまとめ

  • 敗血症性ショックが成立するには、ある程度時間がある
    ある程度時間があるということは、その段階で発見(認識)するということが大切
  • ショックで最も多い原因は、敗血症

ショック

ショックで最も多い原因

ショックの病態は、4つに分類されています。
その中で最も多いのが、敗血症性ショックです。

血液分布異常性ショック

実はこのショックの病態に、敗血症性ショックなんてものはありません。
敗血症性ショックを含む概念である、血液分布異常性ショックにあたります。

血液の分布異常ということは、体液量は正常という前提にあります。
分布異常であれば、その分布異常を是正するのが治療になります。

クリニカルシナリオ(CS)1

分布異常の是正でもっとも病態生理学的に正しいのは、後負荷が増大するタイプの心不全です。
クリニカルシナリオ(CS)1と呼ばれるタイプのものです。
CS1という病態は、体液量増加はありませんが、後負荷(≒血圧)が増大しています。

つまり、動脈に血液が多すぎることで後負荷が増大しているのです。
明確な根拠はありませんが、ニトログリセリンが好んで使用されます。

ニトログリセリンは、静脈の血液量を増やします。
静脈は血管の血管と呼ばれるほど、血液のほとんどをプールしています。
つまり、CS1という病態は、体液量は正常という前提ですので、血液を静脈にシフトしてあげるのが治療になります。

血圧が下がれば、ニカルジピンなどのカルシウムチャンネルブロッカーでも良いのですが、理にかなっているせいなのか、慣習的だからなのかはわかりませんが、ニトログリセリンが好んで使用されています。

逆に、静脈を拡張させる作用があるということは、脳卒中など脳圧亢進のリスクのある場合の降圧には使いづらいということになります。

ショックは緊急事態

ショックの代表:敗血症

ショックとは、比較的緊急事態です。
比較的と書いたのは、徐々に進行するショックもあるからです。
その代表が、敗血症かもしれません。

とはいえ、敗血症も”突然”なのですが、他のショックと比べると多少時間があります。
なぜ、多少時間ができるのかというと、細菌感染が起きてからその菌が全身に回ることで敗血症性ショックは発症します。

例えば、菌血症をきたしやすい代表の、尿路感染症ですが突然の高熱や悪寒戦慄で発症します。
けれども、遡れば尿路感染症症状を伴っていて、なんとなくだるい感じがしていたところ、突然体が震えだしたということで発症しているケースもあります。

尿路感染症症状:3つ

これは、尿路感染症が腎臓に感染症を起こした場合にこのような症状を呈します。
尿路感染症症状、(通称UTI症状と言っています)で聞くべきは3つです。
頻尿・排尿時痛・残尿感です。

膀胱炎の初期治療は抗菌薬ではない場合もある

膀胱炎も尿路感染症の1つですが、膀胱炎の治療は飲水です。
軽症の場合の初期治療は、抗菌薬ではありません。
飲水で効果が乏しければ、抗菌薬を短期間(例えば3日間)使用します。

腎盂腎炎では、血流感染が多い

尿路感染症は、バイ菌が体内に入ってきて、突然ショックになるわけではありません。
バイ菌の量がある程度増加した結果、腎臓から菌が入り全身をめぐることでショックになります。
極端なはなし、腎臓だけに菌がついていればそれほど急激にショックになることは無いのですが、腎臓から全身に菌が回ってしまうことで、ショック状態になってしまいます。

腎臓は、心臓から拍出される血液の約4分の1程度が流れる血流が非常に豊富な臓器です。
そのため、菌が体内に入りやすい(血流感染・菌血症)のです。

敗血症のガイドライン

敗血症は、ショックの分類のうちで最も多いショックの原因です。
そのため、とても有名なガイドラインがあります。
SSCGやSSCガイドラインと呼ばれる、サバイビングセプシスキャンペーンガイドラインです。
このガイドラインが、例えば蘇生の領域で言うところのAHAなどの超有名どころのガイドラインにあたります。

もちろんガイドラインは専門家にとっては翌日から古くなりうる情報ですので、使える部分と使えない部分を見極めて使います。
けれども、非専門家にとっては、その領域のことに関して一般論として詳しくありませんので、他領域を学ぶにはとにかくガイドラインです。
ガイドラインとは、本来そのように使われるべきものなのです。

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