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紫尿バッグ症候群

https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(20)30323-6/fulltext?dgcid=raven_jbs_etoc_email

はじめに

Purple urine bag syndromeは、知っている人は知っているし、大抵の臨床家は見たことあると思います。
そんな中、比較的最近メジャージャーナルで紹介されており、「雑誌で紹介されるものなのか」といった印象を多くの臨床家は受けているのではないでしょうか。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm061573

The Lancet infection disease

The Lancetという臨床系の医学雑誌では、大変有名なものがあります。
その兄弟誌のようなものでしょうか、Lancet誌の感染症雑誌が本誌になります。

Email alert

Email alertとは、特定の雑誌にメールアドレスを登録しておくことで、雑誌の発行日にメールが送られてくるというものです。
例えば、臨床系で最も有名なNew England Journal of Medicine(NEJM)という雑誌があります。
NEJMは木曜日が発行日ですので、メールが届くことで「今日は木曜日か」と言った感じです。

はなしは少し変わりますが、例えば救急系では熱中症の患者さんが来れば、「そんな季節か」と言った感じで季節を感じたりすることもあります。

Purple urine bag syndrome

日本語だと、紫色バッグ症候群と呼ばれているようです。
これは、長期間尿道カテーテルを留置していると、時々遭遇します。
遭遇するということは、尿道カテーテルを比較的長期間留置しているということになります。
そのため、よく見るということは、尿道カテーテルの管理方法を改めた方がよいと思います。

とはいえ、尿道カテーテルは長期間留置しなければならないケースもあります。

尿道カテーテルち長期留置に加え、尿路感染症と便秘の合併を来すことで尿バッグが紫色になるようです。

https://minds.jcqhc.or.jp/n/cq/D0000189

Mindsガイドライン

このガイドラインには、Purple urine bag syndromeだけでは、尿路感染症の治療適応にはならないとされています。

便秘の管理

便秘の定義は、排便に困難が生じる状態ですので、毎日排便があっても自覚症状次第では便秘になります。
とはいえ、2〜3日に1回程度は排便があるように入院中の場合は、コントロールされます。

便秘は、入院による緊張や、動かなくなることでの腸蠕動の低下など様々な要因で起こります。
大抵のかたは、入院により便秘になります。

便秘への介入

便秘症にも、ガイドラインがあります。

便秘症への一般的な介入としては、便を軟らかくするか、腸を動かすかの2つに大きく別れます。
例えば、酸化マグネシウムという薬剤は、薬局でも販売されており、最もよく使用されていますが、国際的な推奨度が最も高いわけではないようです。
ちなみに推奨度が高いのは、マグコロール(モビコール®)のようです。

腸を動かす薬剤では、ピコスルファートナトリウムなどの薬剤を使用します。
これらの、古典的な薬剤は比較的副作用も少なく、かつ安価であることが特徴です。

比較的新規な薬剤としては、ルビプロストン(アミティーザ®)とエロビキシバット(グーフィス®)、リナクロチド(リンゼス®)といった薬剤もあります。

http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se23/se2359006.html
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se23/se2359008.html
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se23/se2399017.html

これらの新規の薬剤は、アミティーザ24μg®(120円)、グーフィス®(104円)、リンゼス®(87円)のようです。
慢性便秘の場合は、当然ですが慢性的に服用しなければなりませんので、長期的には比較的高価になります。
というのも酸化マグネシウムの場合は、1g1円程度ですので、比較対象が安すぎるというのもあります。

まとめ

今回は、Purple urine bag syndromeが立て続けにメジャージャーナルに掲載されていましたので、思わず紹介してみました
また、便秘症は大変多いので、介入が重要ですが、慣例的な介入が行なわれがちです。
便秘症に関しては、また別の機会にまとめてみようと思います

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