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主な消毒薬
病院では消毒薬は毎日のように使用されています。
主な消毒薬としては、イソジンとクロルヘキシジンがあります。
ほかには、アルコールがあります。
イソジン
イソジンは、Povidone-Iodineが一般的な名称とされています。
ポピドンヨードとよくいわれますが、このまま日本語表記するならポビドンヨードになります。
まあ、そんなのは細かいことで誰にでも伝わるのでどちらでも正しく伝わればよいのですが。
イソジンは、色がついていますので消毒の範囲がわかりやすいのが特徴です。
殺菌効果を示すまで、2分間待たなければならないので時間がかかります。
手術を行う外科系の先生方は、イソジンを好んで使用しているように思います。
多分、手術で使用しているため使いやすいことと、慣例的に使用している事と、やはり色がついているのでどこまで消毒したかが明らかにわかるというのは外科医にとっては、重要なのかもしれません。
一方色がついているということは、シーツや衣類を汚染してしまう可能性があります。
一度ついたら、シーツの白色に茶色いイソジンが付着しますので、時に看護師さんに怒られます。
そんなときは、ハイポアルコールという特殊な薬剤を使用して落とします。
以前は、イソジン➜ハイポアルコールという手順で消毒を行っている施設もあったと思いますが、この作業には意味が無いばかりか消毒効果が弱まってしまいます。
イソジンの茶色は、ヨウ素ですのでヨウ素が還元されるとヨウ素イオンになるのだそうです。
クロルヘキシジン
クロルヘキシジンは、日本では粘膜への使用は禁止されています。
以下に、詳しいレビューがあります。
クロルヘキシジンの利点は、イソジンと比較すると残存効果があるということがポイントになります。
例えば、中心静脈カテーテル留置時の消毒では、沢山の研究がありますが一貫して、クロルヘキシジンアルコールの方がカテーテル関連血流感染が低い結果となっています。
しかし、国際的に最も質の高いシステマティックレビューである、コクランレビューではその効果に明確な根拠は無いとされています。
例えば、有名な研究がCLEAN研究ですが、クロルヘキシジンアルコールの有用性を示しています。
日本からの研究でも同様の結果となっています。
クロルヘキシジンの濃度が時に話題になりますが、1%以上がCDCの推奨となっているようです。
日本でも1%のクロルヘキシジンアルコールが存在しますので、明らかなアレルギー等の無い方や粘膜等への使用では無いのであれば、積極的に使用が検討されるべきかと思っています。
他にも、手術部位感染の減少効果を示す研究もクロルヘキシジンアルコールにはあります。
一方クロルヘキシジンによる、清拭では院内感染を予防しなかったという報告もあります。
このあたりは、看護師さんが普段行っている、全身清拭の有用性に帰結するクリニカルクエスチョンにもなるような気がします。
普段の清拭は、何を目的として行われているのか?という事ですね。
少なくとも、このような結果からは感染予防効果は無いということになります。
とはいえ、世界には沢山の研究が存在しますので、自分たちの日常のプラクティスを公表するためにも、振り返ることが必要な気がします。
まとめ
イソジンが最近話題になっていますが、イソジンよりも効果的なのは(たぶん)クロルヘキシジン
ただし、系統的レビューの結果としては明確な根拠にかけるという結論になっており、日常のプラクティスにあたっては、組織単位で決める必要があある
また、クロルヘキシジンは粘膜への使用は禁止されており、注意を要する