総合診療内科 診療科

入院中の発熱:薬剤熱

入院中の発熱の原因 7つのD

  1. 偽痛風
  2. 深部静脈血栓症
  3. 薬剤
  4. デバイス
  5. 抗菌薬関連腸炎(クロストリディオイディスディフィシル感染症)
  6. 深部膿瘍
  7. 褥瘡

薬剤熱

症状

  • 薬剤使用中の発熱であれば、疑います
  • 特にこれといった症状はありません
  • とにかく、疑います
  • 疑う際に、比較3原則というものがあります

比較3原則

  • 比較的徐脈
  • 比較的元気
  • 比較的CRPが低い

比較的徐脈の Δ(デルタ)20ルール

通常、体温が1℃上昇すると、脈は20回/分程度増加します
例えば、平熱(36℃)で脈が70回の人なら、37℃のときには脈拍90回です

比較的徐脈の代表疾患が、薬剤熱です
他には、レジオネラ、マラリア、腸チフスなどが有名です

原因

薬剤、特に新規に開始したもの

抗菌薬や、抗けいれん薬が多いとされています

治療

とくにありません

薬剤中止後、72時間(3日)程度で解熱してきたら疑います
ただし、半減期にもよりますので、半減期が極端に長いものですと、中止後72時間での解熱は難しい場合もあります

例えば、アミオダロンという抗不整脈薬の半減期は、19−53日とされ100日後でも残存している可能性があります

まとめ

  • 入院中の発熱では、薬剤熱の可能性も考えよう
  • 疑うには、比較3原則を参考にしましょう
  • 現在、使用している薬剤をチェックしましょう
  • 薬剤多剤内服(ポリファーマシー)の方は、キードラッグ以外の不要な薬剤は、なるべく中止しましょう

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