診療看護師(NP)

診療看護師と医療への貢献

結論

診療看護師は、日本では医師補助的な役割

当然、処方権や手術などもできない

現行の法制度下で行えることは、内科的な使える知識の習得が優先されてもよい

外科的な手術助手などは、本来外科医だけで成り立つはずではあるが、上手な診療看護師が行う方がうまくいくのであれば、今後そのような職種としての議論も必要かも

診療看護師NPに必要な能力

診療看護師NPとは

診療看護師とは、日本NP大学院協議会が認定している認定資格になります。

資格取得には、特定の大学院で規定されたカリキュラムを履修し、認定試験に合格すればよいとされています。

では、何故診療看護師NPが必要なのでしょうか。

医療制度における問題点

現行の日本の医療は、大きな問題があります。

1つは、社会保障制度がしっかりしているので、軽症(例えば、ほっとけば治る風邪)でも病院を受診して、必要な薬剤が処方されます。

もっとも、患者さんにとっては風邪だと思っていても症状が辛くて、ほんとに風邪なのかわからないから病院を受診することになります。

つまり、医療へのアクセスが極めて良好であるだけに、医療者にかかる負担が大きくなっています。

当然、このあたりの需給バランスを整えなければ医療は破綻してしまいますので、医学部増設などの対応がされています。

とはいえ、実は日本国内にもお医者さんはそれなりにいます。

医師の配置の問題

適材適所で働けていない医師が多いのも、1つ医療破綻へ寄与している可能性があります。

例えば、1つの大病院で10人の医師でみる場合と、10の病院でそれぞれ1人の医師がみる場合では、後者のほうが負担の増加に繋がります。

前者であれば、例えば○時~○時は〇〇担当で、重症の場合はCallみたいなこともできます。

後者の場合は、1時間おきに患者さんが来た場合は、その中に一人重症が加わった場合では診療が破綻してしまう可能性が生じます。

そのため、医師補助のような形で診療看護師NP制度を法制化しようと関係団体が頑張っています。

医師の自助努力に頼る風習

2つ目は、医師が少ないことで各々の医師の努力に依存されているという点です。

例えば、重症患者さんの場合綿密な介入が必要になります。

けれども、夜間など同様の患者さんが重なってしまうと対応できなくなってしまいます。

そのため、各診療科ではおそらくですが、協議の結果日当直や当直明け日勤などの、命を扱う職業としてはあってはならないとも言える勤務が横行しています。

これは、現在働き方改革により、少しづつ是正されようとしていますが、まだまだ看護師の様にきちんとした勤務体制が取られていないのが現状です。

コロナの流行時も、医療者は休みをときに返上して勤務しており、医療は破綻寸前もしくは破綻したとまで言われました。

しかし、医療者が自分の時間までという制限を確実に守れば多くの患者さんは命を落としていたことになります。

看護師の場合

一方、看護師はきちんとしているのかというと、管理者次第です。

不当な管理者はまだまだ、絶滅危惧種ではなくマジョリティです。

管理をわかっている看護師長の場合は、超過勤務が少ないのですが、管理者が勉強不足の場合はどうでもよいことでの残業がまだまだ横行しているというのが現状でしょう。

診療看護師NPの活躍

そんな中、診療看護師NPという病院単位での職種が活躍している病院もあります。

代表的なのは、国立病院でインセンティブとして月々6万円の手当が付きます。

これは、結構凄いことで当時の決定者の先見性には眼を見張るものがあります。

診療看護師NPは初期研修医程度の役割

診療看護師NPは何をするのかというと、端的には初期研修医程度の診療を行うと理解していただければ、概ね間違いでは無いはずです。

初期研修医といっても、市中病院と大学病院ではその役割は全く異なります。

診療看護師NPの場合も同様に、優秀な人もいればそうでもない人もいます。

この辺の最低限の能力を図るのが試験ということになりますが、現状ではほぼ全員合格なので簡単な試験と言えるでしょう。

まずは内科

そんななか、診療看護師NPに必要な能力は何かと問わえると、個人的には内科的な管理ができるという点を挙げたいと思います。

大病院には様々な診療科があります。

例えば、消化器外科、心臓外科、循環器内科、呼吸器内科などなど、としましょう。

専門家である医師はそれぞれの領域で、専門的な能力を発揮してもらう必要があります。

例えば、外科では手術を行うために注力してもらいたいはずです。

当直明けは酔っ払いと同じ程度の認知能力とされていますので、患者さんの立場からすれば一生に一度かもしれない大事な手術は、最良の状態で望んでほしいと思うのは普通の在り方でしょう。

このような当直明けの手術から、医療過誤が生じた場合は、その環境をなんとか変える事が必要と感じるはずです。

医療者も当事者になれば分かるはずです。

ちゃんとしたシステム構築をした状態で手術をしてほしかったと。

外科の場合は手術というわかりやすい指標がありますが、内科の場合はそのあたりは多少ファジーになります。

主治医制度の破綻

例えば、主治医制度というのはもはや多くの病院で淘汰されていると思いますが、他人の目を通す事で見逃しに気づいたりということはよくあります。

どうしても人間は、アンカリングといって「ない」と言われれば「無いんだ」と認識してしまいます。

これは、仕方ないことです。

そのため、チームとしてそれらのミスを1つ1つバレーのレシーバーの様に拾って行く必要があります。

診療看護師NPの役割として、そのような観点からは内科的に総合的に診れる能力こそがパフォーマンスを最大限に発揮できるのではないでしょうか。

医師は余計な仕事をしている

診療看護師NP誕生の背景は、医師不足も1つの要因として挙げられます。

なぜ、医師不足になるのか、それは余計な仕事をしているからです。

例えば、大学病院の看護師は何もしないと揶揄されることがあります。

当然、大学病院にも優秀な看護師は沢山いるのですが、システムの問題が大きいといえます。

特に国立大学の場合は、看護師の仕事量の少なさはデータとしても提示されています。

この様に、医療における負担を医師ばかりに強いる時代はそろそろ終わらせるべきです。

では何故、医師にばかり負担が強いられているのか

医師は、医療専門職集団の中でもトップです。

特に日本の場合は、院長になれるのも医師だけです。

つまり、賢いと言えるでしょう。

では、本来の賢さとは何なのでしょうか。

地頭の良さと、医療における賢さは時に異なります。

先に上げた、看護師の管理も問題も同様ですが、人を動かすということは自分で勉強してなんとかなるものではありません。

多職種がそれぞれ、責任の二文字を背負うという事で医師の負担は大幅に減ります。

診療看護師NPや優秀な初期研修医がいれば、アテンディングドクターはZoomなどの遠隔操作すら可能です。

その間に、カイゼンや研究などに向けての論文を書き世界へ貢献することが必要なのです。

実際に論文を書く時間は、時間外になります。

医療や組織に貢献する場合は、耳管内で論文を書く時間を捻出するべきでしょう。

診療看護師NPの未来

制度としては、悪くない・むしろ医療に貢献する可能性を秘めているといえます。

それは、NPの本場米国での活躍等からもわかります。

診療看護師NPに伝えたいことは、資格を取得したからと言って、まだまだ何も知らないということを理解してほしいと思います。

何でも知っているという診療看護師NPが多く、時に負の側面が強調されていることがあります。

非常にこのような事象は良くないです。

それぞれが真摯に、未来を見据えて活動すべきなのではないでしょうか。

まとめ

診療看護師NPの活躍は、専門家である医師の活動を支援する

その結果、医療全体が円滑に回るようになる

まず、診療看護師NPは真摯に内科的知識の習得に尽力すべきでしょう

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