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結論
- CRPは使いようによっては、効力を発揮する
- CRPが高い、イコール感染症があるというのは大きな間違い
CRPとはどのようにつかわれているか
一般的に、CRPは感染症の指標に使われている印象があります。
これは、印象であって、必ずしも妥当性を担保するものではありません。
CRPとは、わたしが持っている印象と同じく、炎症を伴う際に上昇する物質の事です。
日本語だと、C反応性蛋白(C reactive protein)と呼ばれています。
肝臓で作られる蛋白で、少しだけ(6ー8時間程度)遅れて上昇するとされています。
感染症で使えるかもしれないマーカー
- プレセプシン
- プロカルシトニン
- CRP
この3つは、割と有名かもしれません。
とはいえ、どれも万能といったものでもありません。
プロカルシトニンに関しては、抗菌薬の中止時期の判定に使われたりもしています。
ただ、繰り返しますがこの3つのマーカーは、感染症の可能性を教えてくれるかもしれませんが、感染症かどうかを判断するのは、医師が行います。
つまり、医師が感染症の可能性が高いという判断をした結果、これらのマーカーを提出することがあります。
けれども、何も考えずにこれらのマーカーを提出することはあまりありません。
CRPは何を教えてくれるのか
検査とは、検査の特性を理解しなければ検査を出す意味がありません。
例えば、CRPは感染症の可能性を教えてくれる、といった事です。
確かに、感染症の可能性を教えてくれます。
ただし、その前提として感染症を疑っている場合に限ります。
臨床的には、その逆もあります。
CRPを、たまたまとったら高かったので入院、といった具合です。
この場合は、CRPの上昇という観点から、炎症が上がる原因を検索することになります。
その多くが、感染症ですので、CRPの上昇イコール感染症と認識している方も多い理由かもしれません。
CRPは診断には寄与しない
診断に必要なものは、まず病歴です。
CRPを出したところで、炎症が高いとか低いくらいしかわかりません。
発熱があるということは、炎症を示唆する所見の1つになりますので、CRPも上昇していることが多いです。
逆にCRPが陰性の発熱という鑑別疾患もあります。
例えば、髄膜炎、詐熱、漿膜炎を伴わないSLE(全身線エリテマトーデス)などが代表的です。
つまり、CRPを診断の材料として使うことはできますが、CRP単独では何の役にも立たないという認識でよいと思います。
現代でも、CRP陰性まで抗菌薬を継続するという戦略をとる方もいるかも知れませんが、妥当な戦略とは言い難いです。
逆に、膿瘍などの場合は、CRPや赤沈の陰性化までという抗菌薬戦略をとるというのも1つの戦略にはなります。
このように、CRPはいろんな情報を与えてくれますが、現代ではCRPを使う医療者のスキルに依存するといった状況です。
CRPを用いたエビデンス
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1803185
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2766635
これらは、それぞれNEJMやJAMAという、世界のトップジャーナルに掲載されたものになります。
日本人であれば、昔からCRPガイドの戦略をとってきた、と思うかもしれません。
例えば、米国の場合はそもそもCRPを測定しないというのが一般的とよく言われています。
実際にどうなのかはわかりませんが、米国に行った人の話を聞くと、「日本ではCRPというマーカーをはかるんでしょ?」という感じのようです。
壊死性筋膜炎の可能性を検討する場合、LRINECスコアというものを算出します。
この中には、実はCRPも含まれています。
そのため、米国でも測れないわけでないないのでしょうが、一般的に用いるものではないということのようです。
ただし、近年のこれらのエビデンスより、もしかしたらCRPを測定する機会が増加するのかもしれません。
まとめ
- 検査の前提ですが、検査の特性を理解して使うべき
- CRPにも、それなりのエビデンスが出てきていますので、結局は使いよう
- CRPだけを見て、判断するというのはそもそも間違い