日々の記録

良い指導医とは、どんな指導医なのか?

結論

ポイント

  • 指導するということは、先を見据えること
  • 手先だけの指導では、未来はない
  • 良くない指導医のいるところには、人は集まらない

指導なのか、怒りなのか?

医療業界、特に医師の世界では、指導医というものがいます。

通常、部長をトップに、その下に部長をとりまく副部長のような方がいます。

その下に、指導医と呼ばれる臨床的に最も判断を強いられる医師がいます。

指導医の下には、フェローがいて、その下にシニアドクター、その下に研修医といった具合です。

いわゆる「屋根瓦」といわれるものです。

看護師の場合も、似たようなかんじで、看護師の場合は師長がいて、その下に副師長がいて、主任、スタッフと続きます。

医師も看護師もその他の医療職でも同じなのですが、強いものが力を持ちがちということです。

強いものが、総合的なバランスに長けている場合はそれが最もよい組織運営の方法かもしれません。

けれども、人はそれぞれの強み・弱みがあります

どんな分野でも、完璧に物事を遂行するのは困難な場合がほとんどです。

すなわち、仕事はそれなりに分散させる必要があります。

投資の世界で最も重要なことは、損をしないこと、と書いてある本もあります。

損をしないためには、分散が重要と言われています。

例えば、自社株1社の株を大量に運用した場合、その会社がうまくいっている間はよいですが、会社がコケてしまった場合は多大な損失を被ることになります。

組織運営の考えかたも、似たような感じだと思っています。

いくら屋根瓦方式とはいえ、屋根瓦のトップがコケてしまった場合にリカバリーできるかが重要です。

一人の人気者よりも、多数のバランスの良い人材を育てていくことが重要といえます。

人は誰しもが、上の立場に立つと勘違いしてしまいます。

自分は、何でもできるような錯覚に陥りがちです。

そうすると、一般論ではなく自分の意見こそが正しい意見である、と認識してしまいます。

自己洗脳に陥ってしまうのです。

指導医は誰を育てるのか

医師は、病院という組織における中心の人材です。

当然賢い場合もありますが、知らないこともたくさんあります。

看護師や他のメディカルスタッフの方が、よほど沢山の情報を持っている場合もあります。

医師は、それらの情報を統合し患者さんに、最もよい方法でアプライするということも、仕事の一つかもしれません。

自分よりも、メディカルスタッフを下にみた場合、その組織の未来は明るくありません

医師が育てるべきは、若手の医師の他、全ての医療従事者と言っても過言ではありません

けれども実際は、都合の良いときだけ寄ってきて、都合が悪いときは叱りつけるという指導医は、割と多いです。

当然、患者さんの命を預かっていますので、時には厳しさも必要なのですが、先を見据えるということが多くの場合不足しています。

先を見据える

例えば、投資の世界(よく出てきます)でも、特に積立投資の場合は、先を見据えた投資方法になります。

これは、15年先を見据えた投資方法と呼ばれています。

何故15年なのかというと、15年間米国インデックス投資をおこなうことで、資産がマイナスになる確率はほぼゼロのためです。

ただし、この法則が今後も継続するかは不透明です。

とはいえ、高い確率で世界の株式は成長を続けるはずですので、先を見据えるということは重要ということになります。

医療に限りませんが、どんな職業でも、後進の育成は主要課題です。

後進の育成という観点からは、企業の天才!という、半分小説のような江副浩正氏の半生を描いた著書が個人的に、最近のヒット作品でした。

江副氏は、リクルートの創業者です。

この本の中には、入社半年にも満たない社員が、自分の会社であるということを認識し、自分たち現場の判断でプロジェクトを遂行していたことが描かれています。

医療の場合、入社半年ではまだまだ、役に立たないと言われがちです。

けれども、それは妄想に過ぎず、実際は育て方次第で、一流になれる人材にあふれているはずです。

リクルートの場合と異なるのは、リクルートは東京大学や大学院卒など一流の人材を集めたというところです。

Appleの創業者である、スティーブ・ジョブズ氏の著書でも書かれていますが、AクラスのチームにCクラスの人材が加わると、そのチームの能力は落ちてしまう。

だから、スティーブ・ジョブズ氏は、Aクラスの人材を集めることにこだわったと書かれていました。

医療の場合は、このような人材の集め方は出来なくはありませんが、実際にはかなり難しいでしょう。

入職の少ない診療科

わたしは看護師ですので、医師の世界のことはあまり分かりませんが、多くの病院では新入職者の人材を募集しています。

当然、なにも言わなくても勝手に集まる場合もあれば、大々的に募集しても集まらない場合もあります

この差は何なのでしょうか。

この差は、指導力にあると思っています。

指導力は、まさに指導医の能力です。

特に若い医師の場合は、自分よりも学年が近いほうが教わりやすいです。

この学年の近い医師を育てるのも、指導医の役割です。

わたしの職場では、「否定」「否定」「否定」と悪く書けば、こんな感じの指導医が多いです。

当然ですが、医師を募集しています。

そして、このような職場では、方向性が間違った方向に進むことがあります

例えば、ホームページが悪い、アクセスが悪い、建物が古いなどです。

そして、ホームページを高い金額を支払い、改定します。

けれども、本質はそこではないことは、現場の人間はわかっています。

答えは現場にあるということは、多くの書籍に書かれています。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言がありますが、まさにそのとおりです。

医療の場合の歴史には、現存するエビデンスも含まれます。

このあたりをバランス良く、人材を育てていかなければ、当該施設に入りたいという医師は少ないままでしょう。

特定の診療科の能力を図る最も簡単な指標が、入職者の人気だと思っています。

指導医の仕事とは

指導医とは、膨大な論文を読みこなし、最新のエビデンスをもとに診療を行うことも必要です。

医療の場合は、そもそも対象が患者さんであり、人間です。

そして、指導する側される側も人間です。

つまり「人を知る」というところから始めるべきです。

根拠に基づく医療の実践は、指導医の1つ下のレベルである、フェローの立場まではそれでも良いかもしれません。

組織を創るという観点からは、指導医はもっと全体を俯瞰し、組織全体のレベルアップを総合的に図れる人材こそが本来の指導医なのかもしれません。

 

悪い指導医の例

体験した例ですが、悪い指導医は医学的情報ばかりを頼ります。

そして、患者さんが良くなったとか悪くなったとかを、数値としての事実ではなく体感としてしか認識していません。

論文をたくさん読み、自分の実践は正しいという前提で仕事を行っていますが、実際の「成果」に関してはあまり興味がありません

偉そうに手技を行うときも、下の人達を動かして他人の時間を搾取します。

その結果、うまく行かなければ他人を罵倒します。

夕方にカンファレンス(1日のまとめと夜勤帯への申し送り)を行う場合でも、その場所は内省する場所ではなく「吊し上げの場」になっています。

指導医とは、吊し上げとなる題材をいかに日勤帯に減らし、働きやすくするのかが仕事でもあります。

指導医自らが日勤帯になんの介入もせず、夕方にやってきていろいろ文句を言うのはだいぶ間違っています。

そんな職場で働こうとは思わないでしょう。

本人はそれで気持ち良く、ヒーロー気分になっているのかもしれませんが、何も良いことをしていません。

 

変な指導医への対応策

では、このような変な指導医へどのように対応するべきでしょうか。

ほとんどの場合は、耐えるということになると思います。

職場においては、このような人間関係における劣悪な環境は負の側面しか生み出しません

つまり、影で文句をいうのではなく、直接文句を言うなど、何かしらの対応策(アクション)を構築すべきといえます。

もちろん、いきなり本人に文句を言うのは現実的ではありませんし、そんな勢いのある人はおそらく少数はでしょう。

上司やハラスメント委員会もありますので、経験としても活用してみるのも良いでしょう。

とにかく、一人で悩まずに自分を追い込まずに、何かしら今の現状を変えるためのアクションを起こしましょう。

悩んでいても、何も始まりませんし、何も変わりません、つまり自分の働きにくさをこれからも助長していくということになります。

まとめ

メモ

  • 指導医は、医療以外の良い環境を作るのも仕事
  • その成果は、入職者の人気がパラメーター
  • 基本的に、怒る・否定で良い気はしない、適切なフィードバック手法のスキルも必要

 

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